皆さんは、マイホームを建てる上で外せない条件はありますか。
習い事や趣味に没頭できるよう防音機能を備えたい、緑の多い空間にしたいなど、人によって様々な思いがあるでしょう。
しかし、そのようなこだわりの中でも「過ごしやすさ」を追求される方は多いのではないでしょうか。
マイホームには長く住むことになるので、過ごしやすさを考えるのであれば老後についても想定しておく必要があります。
そこで今回は、老後に起こる生活の変化や暮らしやすい間取り、老後でも過ごしやすい環境を作るためのポイントなどをご紹介します。
□老後は生活にどんな変化があるのか?
家を建てる際には、立地や住宅のデザインなど多くのこだわりを反映したくなりますが、長期的な目線で家づくりを考えることも重要です。
なぜなら、歳を取るにつれて体力が減ってしまうので、それまで何ともなかった場面で苦労するようになるからです。
では、日常生活をする上で、歳を取るどのような変化がるのか、いくつかご紹介します。
*子供の成長や、定年での退職による変化
最初に、子供が自立して家を出ることや、定年退職でライフスタイルが変化します。
それまで家族全員で暮らしていたため、少し狭く感じていた空間も、子供が独立すると「広すぎる」と感じることがあります。
子供が使用していた部屋は、いつの間にか物置部屋になってしまうご家庭も多いのではないでしょうか。
例え使用しない部屋だとしても、埃まみれになるまで放っておくわけにはいきません。
空気を入れ替えたり、時間がある時に掃除をしたりなど、手入れをする必要があります。
一戸建て住宅の場合だと、一階はリビングやダイニングなどの共同スペース、二階に子供部屋を配置するご家庭も多いので、わざわざ掃除のために階段を登り降りして足腰を痛めてしまう可能性があります。
さらに、定年退職も日常生活に大きな変化を与えます。
それまで田舎の方に一軒家を構えていたご家庭が、定年退職後に利便性が良い都市部に引越すという事例も多く見られます。
*加齢による身体の変化
次に、歳を取ると身体にも変化が出てきます。
年齢が若い頃には、仕事や家事で良く体を動かしていても、歳を重ねるごとに運動をしなくなり筋肉がなくなってきます。
特に足腰の部分は、関節周りの筋肉量が減ることで著しく機能が低下してしまいます。
そのため、以前まではスムーズに使用していた階段も、加齢とともに不便なものへと変わっていきます。
二階建ての一戸建て住宅だと、階段があるため恒例の方は住みにくいと感じてしまうものです。
*住まい環境への新たな不満
最後に、住宅の購入は子育てや仕事を意識して間取りを決めるため、どうしても老後に生活には向かない場面が出てきてしまいます。
例えば、あまり広くはない土地に子供部屋を作ろうとすると、平屋では難しいため二階建ての住宅になり、老後の不満の対象となり得ます。
また、日差しが良く差し込んで暖かい空間にするため、二階部分にリビングを設置するご家庭も見られますが、老後の生活には向きません。
このように、若い頃には気に入っていた間取りでも、歳を取ると新たな不満の原因となる可能性があります。
□老後に暮らしやすいおすすめの間取りをご紹介!
前節では、老後に起こる生活の変化について解説しました。
ここからは、そんな老後に暮らしやすい、おすすめの間取りをご紹介します。
*日当たりが良く、広い室内干しスペースのある家
まずおすすめする間取りが、日当たりが良いリビングを有し、広々とした室内干しスペースがあるものです。
夫婦で長時間滞在するLDKは南側に設置することで、陽の光を感じやすい空間ができます。
また、広めの洗面脱衣室兼ランドリースペースを設けることで、雨の日でも洗濯物を乾かしやすく外からの視線も気にならなくなります。
高齢の方ですと洗濯物を洗濯機から物干しスペースまで持っていくのにも苦労しますが、この造りだと洗濯機から取り出してすぐに干せるので、老後に優しい環境となっています。
*寝室とリビングが近い暮らしやすい家
次にご紹介するのが、寝室とリビングを隣同士に設置した間取りです。
LDKを家の中心部分に配置することで、玄関や水まわりだけでなく、寝室へもすぐに行くことが可能です。
また、寝室を2つ設置することで、お子さんやお孫さんが遊びに来られた際にも使用できる、使い勝手の良い空間となります。
*ゆとりを持たせた老後に優しい家
最後にご紹介するのが、将来的に車椅子生活になることを想定した、ゆとりのある間取りです。
玄関の隣に、たくさんの物を収納可能な土間収納を設置することで、玄関を広々と使えるようになり、また急な来客があっても焦りながら片付けをする必要がなくなるので安心して迎えられます。
さらに、LDKの隣に納戸を設けたり、各寝室にクローゼットを設置したりすれば、洋服や嗜好品を収納する場所に困らないため、買い物が好きな方には特におすすめです。
□老後に暮らしやすい環境を作るためのポイントをご紹介!
ここからは、老後でも暮らしやすい環境を作るには、どのようなポイントを意識すれば良いのかについてご説明します。
これから住宅の購入をご検討の方は、ぜひ以下のポイントに注意して家づくりを行なってみてはいかがでしょうか。
1つ目のポイントは、「使用頻度の高い間取りは一階部分に集中させる」ことです。
特に階段がある二階建ての住宅では、階段を登り降りするにも苦労するので、リビングや寝室、水回りなどの間取りは一階に設置することをおすすめします。
住宅だとどうしてもエレベーターを設置するのは難しいため、一階部分のみで生活の大半が完結する造りが理想的です。
2つ目のポイントは、「廊下やドアは広めにする」ことです。
廊下やドアが狭いと、普段の生活がしやすいだけでなく、万が一介護が必要になったとしても、リフォームをする手間が省けます。
また、玄関は特に、広めのスペースを確保しておいた方が良いです。
車椅子での移動になったとしても対応しやすく、収納スペースとしても利用できるため、年齢問わずおすすめです。
3つ目のポイントは、「段差を可能な限り減らす」ことです。
近年では、バリアフリー仕様の住宅も増えてきていますが、玄関の段差を低くするといった工夫もした方が老後の生活が便利になります。
段差の少ない空間は、老後だけでなく子育ての際にも役に立ちます。
お子さんが段差に躓いて怪我をする心配が減るので、住宅の間取りを決める際に考慮しておくと良いでしょう。
□平屋にはどんなメリットがある?
ここまで、老後の生活に最適な間取りや、暮らしやすい環境を作るためのポイントについてご紹介しましたが、老後の生活に最も適した家の造りは「平屋」です。
前節でも触れましたが、高齢になると階段の登り降りが大変になるため、一階部分に生活のほとんどが完結する造りが望ましいです。
そして、そのポイントを抑えた様式が「平家」です。
ここからは、そんな平屋にはどのようなメリットがあるのかを解説します。
まず、平屋は効率的な生活動線や間取りをつくりやすいというメリットがあります。
平屋ではワンフロアのみで生活に必要な物事を完結できるため、生活動線の効率を高めることが可能です。
また、階段を設置しなくて良いため、間取りを柔軟に考えられるというのも利点です。
次に、平屋では家族とのコミュニケーションを取りやすいという特徴があります。
二階建ての構造だと、家族との距離が遠くなってしまうこともありますが、平屋であれば目の届く範囲に家族がいるため、自然とコミュニケーションの頻度が増えます。
最後に、平屋は自然災害に強いという特徴もあります。
高さがないため、耐震性が高くなり、台風や地震といった自然災害にも耐えることが可能です。
そして、構造も他の建物と比較してシンプルであるため、倒壊する可能性も低く、災害に強いというメリットがあります。
災害に強いという点は、高齢の方には最適なポイントではないでしょうか。
□まとめ
今回は、老後の生活に適した間取りや家づくりのポイント、おすすめの家のタイプである「平屋」のメリットをご紹介しました。
若いうちの生活では苦労していなかった場面でも、歳を取ると難しいと感じることがあります。
高齢になってからリフォームするという方法でも良いですが、多額の資金が必要になるため、新築を購入の段階でいつまでも暮らしやすい家づくりを心がけておくと良いかもしれません。
住宅の購入や間取り決めで質問や困っていることがございましたら、いつでも当社までご相談ください。