注文住宅の土地を探す前に知っておきたいこと

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注文住宅を購入する際、なにを考えるでしょうか。
前提条件によって項目はさまざまだと思いますが、新しく家を購入する方がイメージを湧かせにくい、あるいは希望の条件になかなか沿えないなどの理由で難航しやすいものに土地探しがあります。
「何坪でこんな家が、といわれてもそもそも坪とかわからないし」
という方も多いでしょう。
そこで、まずは基礎、不動産業界でよく聞く坪単価から土地探しまで、土地の値段について説明していきます。

□注文住宅における土地の坪単価について

*一坪あたりいくら

そもそも坪単価とはなんでしょうか。
注文住宅の安さの指針やテレビの住宅紹介などでよく使われる単語ですが、細かな意味までは知らないかもしれません。
一定の広さあたりの値段、といった程度の認識の方も多いのではないでしょうか。
答えからいいますと、一坪はだいたい3.3平方メートル、畳にして約二枚分の広さです。
仮に六畳の部屋をお持ちの方がいれば、その方の部屋は約三坪、ということになります。

「坪」というのは昔の尺貫法で使われていた単位で、尺貫法自体は昭和41年、今から半世紀以上前に廃止されているので正式な場では使われません。
ただやはり慣習というものは残るので、今でも不動産業界では「坪」という言葉を見ることが多いのです。

*坪単価の決まり方

大きく分けて、以下の三つです。
・一般的要素
・地域要素
・個別要素

一般的要素は社会的要因、行政的要因など、一言でいえば国単位で起きる影響です。
不動産業界全体、もっといえば国や世界レベルでの波になります。

地域要素はその土地のある地域の影響です。
治安や利便性の高さ、公害の有無など、一個人とまでいかずともある程度身近な問題による需要の量で決まります。

個別要素は言葉の通り、土地固有の条件による影響です。
日当たりのよさや道路にどれだけ面しているかなど、隣の土地とすら違う条件を指します。

これらの要因とエリアの土地の価格をもとにして基本的な坪単価は算出され、土地の価値が決まっていきます。

□土地価格の調べ方とは?

上記で坪代が決まる条件について説明しましたが、続いて、土地それぞれの価格について説明します。
値段の決まる要因を三つあげましたが、ここで「じゃあ自分がほしいエリアの土地の価値とはどれくらいか」と気になった方も多いでしょう。
その調べ方について、三つ、簡単にご紹介します。

1.物件情報から算出する

現在取引されている物件情報を検索し、ほしいエリアの土地がいくらくらいで取引されているのかを調べます。
土地や家などの購入サイトはネットで調べればいくつも出てきますので、簡単に調べられます。

ただ一点難点をあげるとすれば、ネット上で調べて出てくる情報は取引の初期段階で提示される売主の希望価格であり、実際に売れた売却価格ではありません。
交渉や欠陥の発覚など値下げが起きる可能性は十分にあるため、上限を調べるのであればともかく下限や平均、中央値を算出するには正確性に欠けるでしょう。

2.実際の取引事例から算出する

ではどうすれば正確性が増すか。
取引したあとの売却価格から算出すれば良いのです。
インターネットは大変便利で、過去の取引事例が調べられる国土交通省の「土地総合情報システム」や不動産流通機構の「レインズ・マーケット・インフォメーション」などのサイトも存在します。

ただ、もちろんこの調べ方も万能ではありません。
取引の内情までは分かりませんし、レインズ・マーケット・インフォメーションに土地のみの情報はありません。
情報量という点でも母数はやはり減ってしまうので、参考にはできてもそれまででしょう。

3.無料で相場がわかる検索ツールから算出する

例えば「土地の相場検索ツール」では住所や希望の土地面積などから計算できます。
簡単に大まかな相場がわかり、資金計画をたてる際にも活用できます。

ただ、資金計画まで話が進むのであればこういった簡易ツールのみではやはり心許ないので、しっかりと調べてから計画しましょう。

□注意点について

調べる方法はいくつか説明しましたが、次は実際に調べる際の注意点について説明します。

1.すべての土地はオンリーワン

地域から価格は調べられますし似た土地であれば価格帯は同じものになるでしょうが、まったく同じ土地というものはないのです。
日陰から日向に出るのに一歩だけで十分なように、隣の土地との間に価値を決める何かがあるかもしれません。
そういった何かがある場合、必ず価格に表れます。

2.意味なく安い土地はない

大半の安さには安くなるだけのデメリットやリスクがあります。
そのままでは住めない土地や建て直しができない土地はリフォームや引越しの費用が追加でかさみますし、制限の多い土地、道路とのつながり方が不便な土地などは生活の随所で頭を悩ませます。
事故物件は取り壊して更地となった土地にも値下げの理由となりうるでしょう。

3.土地購入の費用は土地代だけではない

購入の際、予算すべてを使う想定で調べている方は注意が必要です。
土地購入の際にかかる費用は土地代だけではありませんが、この諸費用も購入する土地の価格によって左右されます。
予算から見て控えめな土地の価格帯で調べるのも手段のひとつではありますが、限界を感じたらプロに相談することも検討しましょう。

□なぜ土地の価格に差が出るの?

そもそもの話になりますが、この土地の価格の差はどこから来るのでしょうか。

それはずばり、土地の使いやすさ、人気の高さ。
すなわち需要の多さです。

究極的にはすべての理由がここに詰まっているのですが需要の一言で終わらせてしまってはなんの参考にもなりませんので、坪単価の決まり方で紹介した地域要素と個別要素からいくつか実例を紹介します。

*地域要素

駅やショッピングモールが近くにあれば利便性が高いと判断されますし、選べる職業の範囲が広がったり生活にかかる様々な所要時間が減ったりとさまざまな利点から多くの人が求めます。

先ほどと繰り返しになりますが、小さい子がいる家庭では「気をつければ大丈夫」レベルの治安でも不安になることは多いでしょうから、車の交通量や急な大音量まで含めて安全な、もっというのであれば安心できる土地がほしい方は多いでしょう。

また、ハザードマップが普及し防災意識の高まっている今では、防災面や地盤といった条件も気にする方が増えてきています。

*個別要素

土地の価格を左右する大きな要素として土地の広さがありますが、もうひとつ、視覚的な土地単体の要素として価格に影響する要素が「形」です。
正方形の土地を思い浮かべたあとに、二等辺三角形の土地を思い浮かべてください。
大抵の方は正方形の土地の方が使いやすく、ほしいと思うでしょう。

先ほども説明した道路との接し方は、土地の価値として大きな意味を持ちます。
道路、厳密には国や都道府県、市区町村の保有している公道は建物が建つ可能性が極めて低く、今後形も変更されにくいでしょう。
私道やほかの住宅よりも公道と接している面積の方が多いということは、土地からの出入りが安定して行えるということや、土地の形が複雑でない、日照や風の通りに優れている、といった特徴を持つことが多いので、道路との接し方によって土地の価値は左右されます。

□まとめ

坪単価とは何かから、坪単価の調べ方、土地を探す際の注意点、価格差の理由まで説明してきました。
少なくとも、地図を開いた時に「このあたりは便利だけど高そうだな」とか「最近は昔に比べて土地が高いけどこれが理由かな」と予想は着くかと思います。
需要によって土地の価格は決まりますが、それはあくまでも世間一般的な需要。
個人の需要を満たした上で世間一般的な需要と離れていれば、素敵な土地を安価で購入することも夢ではありません。

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