人生の中で一度あるかないかの大きな買い物、住宅。
せっかくなら、こだわりがたくさん詰まった、かつ何年たっても後悔しない、そんな素敵な住宅を作りたいですよね。
そこで今回は、注文住宅の間取りを考える際に大切にしたいポイント、何年たっても住み続けられる家にするためにおすすめの間取りについてご紹介します。
□間取りを考える際に大切にしたいポイントについて
間取りを考える際に気を付けたいのが、考える順番です。
何から考えればいいのか、何を大切にすべきなのかについてご紹介します。
*“好き”を探す
注文住宅の間取りを考える際の第一段階としてやるべきことは、「こんな家に住みたい」という理想をどんどん探し、集めることです。
InstagramなどのSNS上の写真を参考にするのもいいでしょう。
そしてある程度イメージを集めたら、家族と共有し、話し合います。
話し合う内容は、どうしてその間取り・家が好きなのか、どういう点を気に入ったのか、ということです。
理想を集めるだけでなく、その理想のどこに魅力を感じるのかということを明確にすることで、自分、そして家族の好みが明確になります。
好みが明確になることで、今後実際に計画を立てていく際に、どういう判断基準をもって間取りを決定するべきかという方向性が見えてくるでしょう。
*“好みではない”を探す
自分たちの好みが把握できたら、次にすることは「何かが違う」と感じる間取り・家のイメージを探すことです。
注意点としては、嫌いなイメージを探すのではなく、「好きなイメージと似ているけどこれではない」と思うイメージを探す、ということです。
例えば、広いリビングにしたいと思っていても、それは広ければ広いほどいいのか、自分の中で理想の広さがある程度決まっているのかなど、ひとによってその理想には微妙に違いが生じます。
ここでの目的は、この微妙な理想の違いを明確にすることです。
そのため、家族間でよりはっきり理想を共有するためにも、そして家の設計者に自分の希望をより詳しく伝えるためにも、第一段階として見つけた好きなイメージと似ているが、自分の好みとはちょっと違う、という間取り・家を探しましょう。
さらに、なぜその間取り・家はちょっと違うなと感じたのか、ということについて言語化して理由を伝えることができると、より自分の理想に近い家づくりができるでしょう。
*生活スタイルをもとに優先順位をつける
実際に家を建てるとなると、土地の向き不向き、法律上の問題、予算の問題などから叶えられない希望も出て来てしまいます。
そんなときのために、希望に優先順位をつける必要があります。
優先順位をつける際の判断基準になるのが、家族の生活スタイルです。
何人家族なのか、どのくらい収納が必要なのか、家で過ごす時間はどのくらいあるのか、など、様々な基準があります。
特に収納に関しては、間取りをある程度決定したあとに追加してしまうと、部屋として使えるスペースを削ることになってしまうため、間取りを決める前に収納について考える必要があります。
収納スペースの平均としては、3人家族なら床面積の10%前後、4〜5人家族なら15%前後といわれています。
食料の保管場所を広く確保したいのであればパントリーを追加するなど、収納は初期段階で間取りに追加しましょう。
□おすすめの間取りについて
せっかく注文住宅を建てるならライフスタイルが変化していっても快適に住み続けられる家にしたいですよね。
ぜひ参考にしていただきたい、何年たっても住める家にするためにおすすめの間取りを5つご紹介します。
*玄関の土間収納
1つ目のおすすめ間取りは、玄関の土間収納です。
ある程度広めの土間収納をつけておくことで、靴以外にも、ベビーカー、スポーツ用品など、お子様の成長に合わせた収納の活用が可能になります。
土間を作ることで、外にある物置と違い、天気を気にせずに片付けができます。
また土間は室内ではありますが、土足で移動できるため、自転車やベビーカーなどの汚れを気にせずに収納できます。
注意点としては、収納は狭すぎると使いにくく、広すぎてもスペースをうまく活用できず、逆にものがあふれる原因になります。
そのため、1〜2畳を目安にしましょう。
*回遊動線
2つ目のおすすめ間取りは、回遊動線です。
回遊動線とは、家の中を止まることなくぐるぐると回れる動線のことを言います。
1つの部屋からアクセスできる部屋が増えることで移動距離が短くなるため、家事がとても楽になります。
おすすめは、玄関・脱衣所・キッチンをつなぐ回遊動線、リビング・お風呂・トイレをつなぐ回遊動線です。
よく使う部屋同士を動線でつなぐことで、格段に移動しやすくなります。
回遊動線のメリットはほかにもあります。
回遊動線の間取りにすることで、壁で仕切られた場所や行き止まりが減るため、広がりや奥行きを感じることができる間取りになります。
しかし、回遊動線を作るとその分壁が少なくなり、収納が減ってしまうため、そのことも考えて他で収納スペースを増やすなどの工夫が必要です。
*リビングイン階段
3つ目のおすすめ間取りは、リビングイン階段です。
リビングイン階段の最大の魅力は、家族が顔を合わせる機会が増えることです。
2階に上がるときは必ずリビングを通る必要があるため、帰宅や外出の把握も可能です。
また、スケルトン階段やらせん階段を採用することで、インテリアとしての効果も期待できます。
階段の下はデッドスペースになりがちなので、収納などでうまく活用しましょう。
*ウォークインクローゼット
4つ目のおすすめ間取りは、ウォークインクローゼットです。
ウォークインクローゼットは、通常のクローゼットよりも広い収納スペースを確保できるため、たくさんのものを収納できます。
収納以外にも、クローゼットの中にドレッサーを設置する、などのようなスペースの使い方もあります。
また、ファミリークローゼットとして家族共有のスペースとして使うこともできます。
家族の収納を一つにまとめることで、子供部屋の使えるスペースを増やすことができるでしょう。
*畳コーナー
5つ目のおすすめ間取りは、畳コーナーです。
畳コーナーとは、和室とは違い、リビングや洋室の一部に畳を設けたスペースのことです。
子どもの遊びスペース、来客スペースとして利用もできます。
畳コーナーにはフラットタイプと小上がりタイプがあります。
フラットタイプは段差がないため、小さなお子様や高齢の方がいるご家族向きです。
段差がないため掃除もしやすいです。
小上がりタイプは、段差があるため畳の下を収納スペースとして活用できます。
段差があることで掘りこたつの設置もできるため、ダイニングテーブルの代わりとして使うこともできます。
また、小上がりの段差によって空間が緩やかに分かれている印象になります。
そのため、部屋に立体感が生まれ、おしゃれな空間を演出することができるでしょう。
しかし、バリアフリーではないため、小さなお子様や高齢の方がいるご家族は段差の高さに注意が必要です。
洋室の一角に畳を設置することで、和モダンな雰囲気を演出することができ、お部屋のおしゃれさも一気に上がります。
ぜひ取り入れてみてください。
□まとめ
今回は、注文住宅の間取りを考える際に大切にしたいポイント、何年たっても住める家にするためにおすすめの間取りについてご紹介しました。
住宅の購入は、人生で大きな買い物の一つです。
自分の希望、家族の希望をしっかりとイメージ化し、伝えることで、後悔しない家づくりをしましょう。