家の中で一番長い時間を過ごす場所をご存じですか。
それは寝室です。
日本人の平均睡眠時間は7時間であるため、1日の約3分の1は寝室で過ごしていることになります。
そこで今回は、快適な寝室の作り方についてご紹介します。
注文住宅の購入をご検討中の皆様、ぜひ寝室を考える際の参考にしてください。
□快適な寝室を作るために必要な広さについて
寝室は寝るだけだから狭くてもいい、そう考える方も多いのではないでしょうか。
しかし、狭い寝室は快適な睡眠ができない原因になってしまうこともあります。
狭い寝室のデメリット、おすすめの寝室の広さについて紹介します。
*狭い寝室のデメリット
1つ目のデメリットは、寝苦しくなることです。
部屋の広さに対する人数が多くなると、その分部屋の酸素が薄くなります。
そんな部屋の中で寝ていると、やはり寝苦しさを感じやすくなるでしょう。
寝苦しいと深い眠りに到達することができず、睡眠の質の低下につながります。
良質な睡眠のためにも、寝室の広さはある程度広めに確保する必要があるでしょう。
2つ目のデメリットは、ものを増やせないことです。
家を建て、実際に生活を始めてみると、最初の想定以上にスペースが必要になります。
例えば、「子供が大きくなり、寝室に子供用のベッドを増やしたい」、「リビングの収納が足りなくなってきたから寝室にも収納場所が欲しい」などです。
注文住宅を購入する時点でベッド以外のスペースがない寝室にしてしまうと、このような後々発生する想定外に対応できなくなってしまいます。
*おすすめの広さ
夫婦2人の寝室の場合、ベッドを置き、移動に十分なスペースを確保するために、最低でも6畳の広さが必要です。
小さなお子様がいて、お子様が大きくなっても同じ部屋で寝る可能性があるご家庭は、8畳以上あるといいでしょう。
また、8畳あると余裕をもってスペースの確保ができるため、お子様が同じ部屋で寝なくなった後も、ライフスタイルの変化に合わせレイアウトを楽しむことができます。
注文住宅の最大のポイントは、間取りを一から考えられることです。
ライフスタイルの変化に合わせた快適な空間にその都度デザインしなおしていけるように、寝室は8畳以上確保できるといいでしょう。
□快適な寝室を作るための環境について
快適な広さを考えたら、次は環境作りです。
ぐっすり眠り、快適な朝を迎える寝室を作るために注意すべき点は4つあります。
それは、色使い、明るさ、香り、ベッドの位置です。
*快適に寝られる色
快適に寝られる寝室にするためにおすすめの色は、オフホワイトやベージュなどの“中間色”です。
中間色は安らぎ、安心感を与える心理的効果があるため、リラックス状態になるために効果的な色です。
そのため、壁紙やカーテン、ベッドの掛布団など、大きな面積を占めるものの色を中間色にすることで大きなリラックス効果を得ることができます。
人生の3分の1を過ごす場所、せっかくなら自分の好きな色を使いたい、と考える方もいるかもしれません。
しかし、赤やオレンジなど、ビビッドな色は交感神経を刺激してしまうため、気分が落ち着かなくなります。
そのためもし用いるのであれば、灰色を加えて中間色に近い色味にする、ポイントとして小物の色で取り入れるなどの工夫をするといいでしょう。
*快適に寝られる明るさ
自然と早く眠りにつくために、寝室での明かりの色はオレンジがかった電球色をおすすめします。
また、電球がシェードなどで覆われている間接照明を使う、スタンドライトにして壁を照らすなど、光源の光が目に直接入らないよう気をつけましょう。
柔らかく光る照明は、自然とリラックス状態に導いてくれます。
ほかの部屋の照明と明るさや色に違いを作り区別することで、寝室に入るだけで自然と眠くなるような習慣作りにもつながります。
*快適に寝られる香り
快適な寝室を作るためには、香りも重要な要素の一つです。
リラックスするため、というのはもちろんですが、寝室にこもりがちな体臭などのにおいをカバーし、清潔感を保つ、という効果もあります。
注意点としては、“ほのかに香らせる”ことです。
いくら自分が好きな、リラックスする香りであっても、強い香りは交感神経を刺激し、逆効果になってしまいます。
最近では、寝具に直接吹きかけることができ、消臭効果や防ダニ効果を兼ねているアロマスプレーも販売されています。
香りは手軽に取り入れることができるので、ぜひ一度試してみてください。
*快適に寝られるベッドの位置
ベッドの位置で注意すべきポイントは、窓やドアに頭が向かないようにすることです。
窓に向けて枕元があると、朝から太陽の光で目覚めることができる、というメリットがあります。
一方で、寒い季節には窓からの冷気やすき間風で寒さを感じやすくなる、人の話し声や工事音といった外の騒音が気になるなどというデメリットもあります。
また、ドアに向けて枕元があると、ドアの外を歩く人の足音や自分以外の家族の出入りなどの音が気になってしまいます。
快適な睡眠を邪魔する外からの刺激を、ベッドの位置を調整することで解決しましょう。
□さらに快適な寝室にするためのもう一工夫
快適な寝室を作るために必要な部屋の広さ、環境づくりについてご紹介しました。
ここからは、プラスアルファでさらに寝室を快適な空間にする工夫をご紹介します。
それは、観葉植物を置くことです。
寝室に観葉植物を置くことには、マイナスイオン効果、空気清浄効果など、様々なメリットがあります。
また、緑は中間色の一つであるため、色の面でもリラックス効果があるといえるでしょう。
寝室に観葉植物を置くときの注意点が3つあります。
1つ目は、耐陰性のあるものを選ぶ、ということです。
寝室はカーテンを閉めている時間が長いため、熱帯雨林原産の植物など、日が当たらない場所でも成長できる、耐陰性の強い植物を選ぶ必要があります。
2つ目は、乾燥に強いものを選ぶ、ということです。
暑い夏、寒い冬、快適に寝るためにほとんどの方がエアコンを使うと思います。
エアコンを使うと部屋の乾燥は避けられないため、サボテンやハーブ類など、乾燥に強い植物を選びましょう。
3つ目は、カビに注意する、ということです。
寝室は、寝ている間は窓を閉めていることが多いため空気の流れが少なく、就寝中の汗で湿気もこもりやすいです。
これはカビが繁殖しやすい条件に当てはまります。
そこに観葉植物を置くことで、有機肥料の影響などでさらにカビが繁殖しやすくなってしまいます。
カビは、アレルギーなどの様々な疾患を引き起こすきっかけとなるため、発生を予防する必要があります。
予防方法は、こまめに換気すること、受け皿に水をためないこと、土に定期的に光を当てることで紫外線による殺菌をすることです。
人工観葉植物を置くのも一つの方法です。
生きている植物だからこその、マイナスイオン効果や空気清浄効果は失われてしまいますが、中間色のリラックス効果は得ることができます。
世話をする手間も省けるため、気軽におくことができるでしょう。
□まとめ
今回は快適な寝室の作り方について紹介しました。
寝室は人生の約3分の1を過ごす、大切な場所です。
快適な睡眠は充実した毎日を送るために、とても重要です。
家を建てる際、リビングやキッチンも大切ですが、寝室についても、ぜひ考えてみてください。